2006年度石川賞受賞者

受賞者

大竹文雄氏(大阪大学・教授)

受賞理由

大竹文雄氏の貢献は、労働経済学と公共経済学において多岐にわたっている。日本の労働市場の分析、所得分配の実証、財政や社会保障の分野、雇用法制と雇用の関係、等々において精力的な経済研究を行なっている。それぞれの分野において何が問題であるかを明らかにした上で、統計分析の手法を用いて実証分析を行ない、そしてそれらに基づいて政策のあり方についても考察を重ねている。著書の数は10編にも達しているし、学術論文の数も80編を超えている。書籍・論文ともに英語で書かれたものはさほど多くなく、日本語が中心である。日本経済を念頭においた実証研究の論文であれば、日本語で出版することが英語で出版するより日本人の間での関心をより集めることができると考えれば、あながち悪い戦略ではない。むしろ、大竹氏の研究成果がその分野で基本的な貢献になっていることを評価すべきであろう。

このように大竹文雄氏の貢献は労働経済学と公共経済において、日本の実証研究では核になる成果を数多く出版しており、それは「石川賞」の受賞にふさわしいものと判断される。特にごく最近に出版された「日本の不平等」は一つの金字塔といえるほどの価値があり、彼の受賞を後押ししていると言える。

第1回石川賞選考委員会

  • 金本良嗣(東京大学)
  • 橘木俊詔(京都大学)
  • 委員長 本多佑三(大阪大学)
  • 森棟公夫(京都大学)

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