日本学術会議 経済理論研究連絡委員会からのお知らせ

経済理論研究連絡委員

岩本 康志

 第18期委員の神谷和也氏の後任として,この度,第19期委員に委嘱されました。このページでは,研連の動向を簡単なニュースレター形式で日本経済学会 員にお伝えします。
 研連の(これまでの)重要な仕事に文部省科学研究費補助金の審査委員を推薦することがあります。このプロセスが改革されようとしているところであり,そ の動向についてはこちらで説明します。
 学術会議の活動については,学術会議のサイト をご参照ください。

【No.5 2005年10月3日】

第5回委員会

 ニュースレターの更新に間を置いたうちに,私の研連委員としての任期は終了してしまいました。例年よりも1年間短い任期でしたが,科研費審査委員の推薦 プロセスの変革や学術会議の制度改革にぶつかり,神経を使う仕事となりました。
 2005年9月20日(火)に,第19期・第5回委員会が開かれました。
 委員会では大きな議題はなく,主な議事としてお伝えするのはありません。学術会議の改革のため,次期の活動が今期の活動とほとんど切り離されているため に,次期へ引継ぎすべきこともないありさまです。
 研連委員は学術会議と諸学協会の連絡をおこなうのが仕事ですが,第20期学術会議と諸学協会との関係については,研連委員の方には公表資料(もっとも重 要なものは,「日本学術会 議の新しい体制の在り方に関する懇談会 最終報告書」になります)以上に具体的な情報が示されませんでした。また,報告書はあくまで第20期の活 動についての「提案」であって,すべては第20期が発足して決定されます。このため,これまでの協力関係とは必然的に断絶が生じますが,これがどういう影 響をもつのかは現時点ではよくわかりません。
 今年初めにおこなった科研費審査委員候補者の情報提供について,こちらに加筆しています。

【No.4 2005年3月24日】

第4回委員会・シンポジウム

 2005年3月16日(水)に,経済理論研連と 科学研究費補助金特定領域研究「経済制度の実証分析と設計」(領域代表者・林文夫東大教授)の主催によるシンポジウム「日本経済の低迷と変革の方向:制度 の実証分析をふまえて」が日本学術会議で開催され,それに先立って,第4回委員会が開かれました。
 委員会では大きな議題はなく,主な議事としてお伝えするものはありません。
 日本学術会議自体は,2005年10月からの新体制のあり方をめぐって,議論がおこなわれているところです。日本経済学会にとっては,新体制の学術会議 が学協会とどのような関係をもつのかが関心の対象になりますが,現時点では結論はまとまっていません。
 シンポジウムは,30名を超える参加者を得て,活発な質疑応答もおこなわれ,無事に開催することができました。

【No.3 2004年10月25日】

第3回委員会

 2004年10月19日(火)に第19期・第3回委員会が開かれました。主な議事は以下の通りです。

 科学研究費補助金審査委員に関する重要な報告が ありました。
 平成18年度分より日本学術振興会は日本学術会議からの情報提供を受けず,独自に審査委員を選考することになりました。したがって,日本経済学会が学術 会議を通して審査委員を推薦するチャネルはなくなりました。日本学術振興会では評価者データベースを構築中ですが,関係学協会から適切な審査委員候補者に 関する情報提供を受けて,データベースの充実に活かすこととし,毎年2月を受付期間とすることにしました(要領がこちらに あります)。
 このことを日本経済学会に伝えることが私の仕事ですが,日本経済学会はこの変化にどう対応するかをこれから検討することになります。

 前のニュースレターで触れた,「応用経済学」,「経済政策」細目への対応研連の追加の要望については,進展がありません。まずこれら細目の窓口研連で扱 いが判断されますが,それについての窓口研連よりの連絡も受けていない状況だそうです。しかし,上にのべた通り,学術会議からの科学研究費補助金審査委員 の情報提供がなくなったことから,要望の実質的意義がなくなっていますので,この話は進展してもしなくても大差はないといえます。
 経済理論研連と科学研究費特定領域研究「経済制度の実証分析と設計」が主催するシンポジウム「日本経済の低迷と変革の方向:制度の実証分析をふまえて」 (2005年3月16日・水)の概要が説明され,了承されました。入場無料ですので,ご関心のある学会員の皆様のご参加を歓迎いたします。

【No.2 2004年3月4日】

第2回委員会

 2004年3月2日(火)に第19期・第2回委員会が開かれました。主な議事は以下の通りです。
 学術会議の改革の動向について,柴垣委員長から報告がありました。2月10日(火)には,「日本学術会議法の一部を改正する法律案」が国会に提出されま した。賛否両論はありますが,学術会議の性格を大きく変えるものとなっています。とりあえず私個人に影響のあるのは,私の任期である第19期が1年早く, 2005年9月で終了することです。学術会議改革の詳細については,学術会議のサイトを ご参照ください。
 科学研究費分科細目の対応研連見直しについて,[No.1]でも触れた通り,日本経済学会より意見を出しましたが,経済理論学会からの意見と合わせ,経 済理論研連として「応用経済学」,「経済政策」細目に加えるよう意見を提出したことについて,柴垣委員長より報告がありました。それに対する回答はまだ届 いていないとのことでした。
 平成17年度科学研究費補助金審査委員の情報提供に関して話し合われました。審査の公平を期すため審査委員は任期後まで公開されないことから,それにつ ながるプロセスである本件の具体的な内容についてもここでお知らせすることを控えさせていただきたいと思います。学術会議と科学研究費補助金の関係につい ての,具体的情報を含まない説明は,こ ちらをご覧ください。
 研連主催のシンポジウムについて,[No.1]でも触れた通り,補助金特定領域研究「経済制度の実証分析と設計」(領域代表者・林文夫東大教授)と連携 して開催するよう準備をすすめていることを,私が報告しました。シンポジウムについてくわしくお知らせできる段階になりましたら,このページでも宣伝いた します。

【No.1 2003年12月17日】

第19期委員会の構成

 経済理論研連を母体とする第19期学術会議会員は以下の4名です(敬称略,50音順)。

  奥野正寛(日本経済学会,東京大学)
  柴垣和夫(武蔵大学)
  西村可明(一橋大学)
  馬渡尚憲(宮城大学)

 第19期研連には13の学会が登録しており,うち9学会が経済理論を第1順位としています。研連の定員は会員4名を含め11名です。以下の7学会(会員 数順)が会員以外の連絡委員を1名ずつ出しています。

  日本経済学会   2834名
  経済理論学会    962名
  経済学史学会    853名
  社会思想史学会   721名
  経済学教育学会   444名
  応用地域学会    359名
  比較経済体制学会 228名

 他に,経済理論を第1順位とする以下の2学会からオブザーバが委員会に参加します。

  マルクス・エンゲルス研究者の会  167名
  基礎経済科学研究所        146名

第1回委員会

 2003年11月18日(火)に第19期・第1回委員会が開かれました。主な議事は以下の通りです。
 委員長に柴垣会員,幹事に西村会員と岩本が選出されました。
 今期の活動として1回のシンポジウムを開催することとなり,担当委員に奥野会員,瀬古美喜委員(応用地域学会),岩本が選出されました。このシンポジウ ムは文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「経済制度の実証分析と設計」(領域代表者・林文夫東大教授)と連携して開催することを予定しています。
 2005年度科学研究費補助金審査委員の推薦に先立ち,これに関する意見徴収についての照会がありました。このうち分科細目の対応研連見直しについて は,日本経済学会は経済学の総合学会として正当なプレゼンスを求める観点から,経済理論研連を「応用経済学」,「経済政策」の対応研連に加える意見を出し ました。学術会議全体で多くの意見が出され,調整がおこなわれますので,実現するかどうかはわかりません。


(2003年12月17日記,2004年3月4日,2004年10月25日,12月21日,2005年10月3日加筆)

研究連絡委員会と科学研究費補助金

[平成16年度分]

 2003年秋に申請募集がおこなわれた平成16年度科学研究費補助金までは,審査委員は学術会議からの推薦者から選出されていました。学術会議では, コードの細目ごとに審査委員を推薦する領域別研連を対応させており,「経済学・分科」の細目では以下のようになっています。

細目
キーワード
対応研連
理論経済学
ミクロ経済学,マクロ経済学,経済理論,経済制度
経済理論
経済学説・経済思想
経済学説,経済学史,経済思想,経済思想史,社会思想,社会思想史
経済理論
経済統計学
統計制度,統計調査,統計史,統計学説史,人口統計,所得・資産分布,国民経済計算,計量経済学
経済統計学
応用経済学
国際経済学,労働経済学,産業論,産業組織論,都市経済学,環境経済学,医療経済学,地域経済学
◎経済政策
国際経済
経済政策
経済政策,経済事情,日本経済,社会保障,経済体制,経済発展,政策シミュレーション
経済政策
財政学・金融論
財政学,公共経済学,金融論,ファイナンス
◎財政学・金融論
経済理論
経済史
経済史,経営史
経済史

 経済理論研連はこの他に「総合・新領域系・総合領域分野・情報学分科・情報図書館学・人文図書館学細目」の対応研連(「情報経済学」のキーワードに対 応)になっています。
 審査委員の推薦は細目ごとに,対応研連が連絡委員を通して学会から推薦を受け,取りまとめをします。複数の対応研連がある細目は,◎印の「窓口研連」が 各研連に推薦を依頼し,取りまとめるという手順が加わります。したがって,経済理論研連が対応研連となっていない細目からは,日本経済学会は審査委員を推 薦することはできません。
 なお,定員を超える推薦をおこなっていますので,研連からの推薦者が自動的に審査委員になるわけではありませんので,ご注意ください。また,審査が中 立・公平におこなわれるよう,推薦者の氏名は公表していません。

[平成17年度分]

 これまで科研費審査委員は学術会議からの推薦のみによって決定されていました。総合科学技術会議は,これを改め,日本学術振興会が各方面のからの情報を 自ら集めて決定すべきであるという指導をしました。この結果,学術会議・文部科学省・学振との協議で,平成17年度からは
  学術会議は従来通りに学振に協力する
  ただし,「推薦」ではなく「重要な情報提供」という認識に変更する
  学術会議内部のプロセスでは従来通り「推薦」の用語を用いる
  審査委員は学振の責任において最終決定され,学術会議から情報提供した人以外が選ばれることもあることを学術会議は了承する
ことになりました。
 審査委員は第1段と第2段の2種類がありますが,平成17年度については,学術会議は定員の3倍以上の情報提供をおこなうことになりました。
 学術会議では細目ごとに審査委員の情報提供をする領域別対応研連を対応させています。平成16年度分は上記の通りですが,平成17年度分に見直しがあっ たかどうかは知らされていません(3月4日現在)。
 情報提供は細目ごとに窓口研連が取りまとめ役となり,各対応研連に人数を配分し,各対応研連は登録学会にさらに人数配分をおこなって,学会からの情報提 供を受けます。
 この結果,経済理論研連を通して日本経済学会が情報提供をするのは,第1段審査委員が経済学分科の「理論経済学」,「経済学説・経済思想」,「財政学・ 金融論(「公共経済学」のキーワードに対応)」,情報学分科の「情報図書館学・人文図書館学(「情報経済学」のキーワードに対応)」,第2段審査委員が経 済学分科の「理論 経済学」,「経済学説・経済思想」となりました。
 なお,審査委員は学振で最終決定されるので,日本経済学会から情報提供した者が自動的に審査委員に選ばれるわけでなく,他の日本経済学会員が他学会の情 報提供や学振独自の判断によって審査委員に選ばれる可能性もあることにご注意ください。また,審査が中立・公平におこわれるよう,情報提供した者の氏名は 公表していません。

[平成18年度分]

 平成18年度分から,学術会議からの情報提供はなくなります。平成17年度分に書かれている情報は一部誤って伝えられていたことになります。
 日本学術振興会は,平成17年度分から学術システム研究センター(プログラムオフィサーに相当する研究員で構成)がデータベースを活用した案を基に,科 学研究費補助金審査委員選考会で,審査委員の選考をおこないます。平成17年度には,このデータベースには,学術会議からの情報提供(平成16年度の推薦 分含む),平成16年度の科学研究費補助金(特別推進研究,特定領域研究,学術創生研究費,基盤研究S・A,若手研究A)の交付内定を受けた研究代表者等 が含まれたそうです。18年度からは,各年度の科学研究費補助金(基盤研究B,人文社会系は基盤研究C,まで拡大予定)の交付内定者を追加する等により, デー タベースの充実を図るそうです。
 また,学振は「関係学協会等において,科学研究費補助金の審査委員として適切な候補者に関する情報をお持ちの場合には,当 分の 間,その候補者の情報を本会で受け付けする」としています。この受付は2月におこなわれます。
 日本経済学会は,平成18年度分について積極的に情報提供をおこなう方針とし,「科学研究費審査委員候補 者選考委員会」を発足させ,候補者をリストアップしました。これまで研連委員として同種の業務に携わっていた経緯から,私が委員長を仰せつかりました。 (結構な労力を使った)選考作業の結果,2005年2月に日本学術振興会に対し,審査委員候補者として34名の情報提供をおこないました。候補者は登録票 に審査可能な細目を2つ記入できるので,細目で見ると,のべ58件の情報提供となります。その内訳は,理論経済学9名,経済統計学10名,応用経済学13 名,経済政策10名,財政学・金融論11名,人文社会情報学2名,統計科学3名です。


Last Updated: 10/03/05, Yasushi Iwamoto